「モーニングページって何?」「やり方がよくわからない」「本当に効果があるの?」
そんな疑問を持つあなたに、診療放射線技師として働きながら半年間モーニングページを実践している私の体験談をお伝えします。
モーニングページは、ジュリア・キャメロンの著書「ずっとやりたかったことを、やりなさい。」で提唱されている、朝に思考を書き出す簡単な習慣です。特別な道具や技術は必要ありません。ただペンとノートがあれば、誰でも今日から始められます。
この記事では、モーニングページの基本的なやり方から、実際に半年続けて感じた効果、そして挫折しないための現実的なコツまで、すべてをお伝えします。特に夜勤や不規則な勤務がある医療従事者の方に、参考にしていただけるような内容にしました。
忙しい毎日の中でも、たった数分の習慣が心を軽くしてくれることを、ぜひ体験してください。
モーニングページとは?やり方の基本を解説

モーニングページの定義と目的
モーニングページとは、アメリカの作家・映画監督であるジュリア・キャメロンが著書「ずっとやりたかったことを、やりなさい。」で提唱している創造性回復のためのツールです。
簡単に言うと、朝起きてすぐに、頭に浮かんだことをそのまま手書きで書き続ける習慣のことです。ジュリア・キャメロンは、これを「脳の排水」と表現しています。
基本的なやり方
モーニングページの基本ルールは非常にシンプルです:
✓ 朝起きてすぐに書く 起床直後の、まだ完全に意識がはっきりしていない状態で書くのがポイントです。
✓ 手書きで書く パソコンやスマホではなく、ペンとノートを使います。手を動かすことで脳が活性化されます。
✓ 意識の流れのままに書く 文章の構成や文法は気にせず、頭に浮かんだことをそのまま書き出します。
✓ 他人に見せない これは自分だけのための時間です。誰にも見せない前提で、自由に書きましょう。
✓ 原則として3ページ書く ジュリア・キャメロンは3ページを推奨していますが、これは絶対的なルールではありません。
日記との違い
モーニングページと日記の大きな違いは、目的と書き方にあります:
モーニングページ | 日記 |
---|---|
脳の整理・思考の排出 | 出来事の記録・振り返り |
意識の流れのまま | 構成を考えて書く |
朝(起床直後) | 夜(一日の終わり) |
読み返さない | 読み返すことがある |
モーニングページは「考えながら書く」のではなく、「書きながら考える」というイメージです。
こんな人におすすめ
- 頭の中がごちゃごちゃしている人
- ストレスを感じやすい人
- 創造性を高めたい人
- 自分と向き合う時間がほしい人
- 夜勤などで生活リズムが不規則な医療従事者
特に私たち医療従事者は、患者さんの安全や職場での人間関係など、常に多くのことを考えているため、モーニングページで頭の中を整理する効果を実感しやすいと思います。
モーニングページの効果【半年実践した診療放射線技師の体験談】
私がモーニングページを始めたのは約半年前。「ずっとやりたかったことを、やりなさい。」を読んで興味を持ったのがきっかけでした。
正直、最初は「本当に効果があるのかな?」と半信半疑でしたが、続けてみて明らかな変化を感じています。
効果① 負の感情をほとんど感じなくなった
最も大きな変化は、怒りなどの負の感情を抱くことがほとんどなくなったことです。
私は元々それほど怒りやすい性格ではありませんが、それでも仕事で理不尽なことがあったり、患者さんとの対応で困ったりすると、小さなイライラを感じることがありました。
具体的な変化:
- 検査で静止してもらえない患者さんに対しても冷静でいられる
- 医師や看護師との意見の相違があっても感情的にならない
- 職場での理不尽な出来事も「そういうこともあるな」と受け流せる
この変化を感じ始めたのは、モーニングページを始めて2〜3ヶ月後でした。書いている最中に「これは効いてるな」と感じることはありませんが、振り返ってみると確実に心が軽くなっています。
効果② 悩みを翌日に持ち越さなくなった
以前は仕事での悩みや人間関係のモヤモヤを、何日も引きずることがありました。
心がざわめくような時ほど、モーニングページの効果を実感します。
例えば:
- 職場での人間関係の悩み
- 仕事でのミスや反省点
- 将来への不安や心配事
これらのことをノートに書き出すと、その瞬間にスッキリするわけではありませんが、翌日以降、そのことを考える時間が明らかに減ります。
頭の中でぐるぐる回っていた思考が、紙に書き出すことで外に出て、脳の容量に余裕ができるような感覚です。
効果③ 自分と向き合う時間ができた
モーニングページを書いている時間は、完全に自分だけの時間です。
書く内容は本当に様々で:
- 今日の仕事の予定
- 昨日の出来事の振り返り
- 趣味のカメラで撮りたい被写体
- 恋愛や人間関係の悩み
- ふと思い浮かんだアイデア
- 体調や健康のこと
1日1ページ弱の分量ですが、この時間があることで「自分が今何を考えているのか」「何を大切にしているのか」が見えてきます。
忙しい医療現場で働いていると、患者さんや同僚のことばかり考えて、自分のことは後回しになりがちです。モーニングページは、そんな私に「自分と向き合う時間」を与えてくれました。
医療従事者にとっての特別な効果
夜勤や不規則な勤務がある私たちにとって、モーニングページは特に有効だと感じています:
✓ 生活リズムが乱れがちでも、朝の習慣で1日をスタートできる ✓ 患者さんとの関わりで感じるストレスを整理できる ✓ 職場での複雑な人間関係を客観視できる ✓ 責任の重い仕事で感じるプレッシャーを軽減できる
もちろん、これらの効果には個人差があります。でも、ペンとノートがあれば今日からでも始められるので、試してみる価値は十分にあると思います。
初心者向け:モーニングページの始め方ステップ

「やってみたいけど、どうやって始めればいいの?」という方のために、具体的なステップをご紹介します。
ステップ1:必要なものを準備する
モーニングページに必要なものは、とてもシンプルです:
📝 ノート
- A4サイズがおすすめ(書きやすいサイズ)
- 特別高価なものである必要はありません
- 私は普通の大学ノートを使っています
✏️ ペン
- 書きやすいものなら何でもOK
- インクが出やすく、手が疲れにくいものがベスト
- 色は黒でも青でも、お好みで
🪑 静かな場所
- 集中できる場所であれば十分
- 私は自宅の机で書いています
- ベッドの上でもソファでも、自分がリラックスできる場所で
ステップ2:書く時間を決める
起床直後がおすすめです。
理由:
- まだ完全に目覚めていない状態で、理性による検閲が入りにくい
- 1日の始まりに頭の中を整理できる
- 夜に書くと、その日の出来事を振り返るだけになりがち
医療従事者の方へ:
- 早出や夜勤明けなど、時間が取れない日は無理しない
- 「毎日絶対」ではなく、「できる時に」という気持ちで
ステップ3:実際に書いてみる
最初の1週間は、とにかく手を動かすことを重視してください。
書く内容の例:
- 今思っていること
- 今日の予定
- 昨日の出来事
- 体調や気分
- 心配事や悩み
- 夢で見たこと
- 「書くことがない」
重要なポイント:
- 文章の上手さは関係ありません
- 誤字脱字も気にしなくてOK
- 止まらずに書き続けることが大切
- 「書くことがない」も立派な内容です
ステップ4:1週間続けてみる
最初は1週間を目標にしてみてください。
1週間後の確認ポイント:
- 頭がスッキリした感覚はあるか?
- 書くことに慣れてきたか?
- 続けてみたいと思うか?
効果を感じられなくても、焦る必要はありません。私も最初の1ヶ月は「本当に効果があるのかな?」と思いながら続けていました。
夜勤がある医療従事者向けのアレンジ
私たち医療従事者は、一般的な生活リズムと異なることが多いため、以下のようにアレンジしても構いません:
✓ 夜勤明けの場合 帰宅後、シャワーを浴びて落ち着いてから書く
✓ 早出の場合 前日の夜に「明日は時間がない」とわかっていれば、無理に書かない
✓ 休日の場合 普段より長めに書いても、短めでもOK
大切なのは「完璧」を求めないことです。
モーニングページを続けるコツ【挫折しないための方法】
半年間モーニングページを続けてきた私の経験から、挫折しないためのコツをお伝えします。
コツ① 義務にしない
最も重要なコツは、「義務にしない」ことです。
私は以下のような時は、書いていません:
- 仕事の早出で時間がない朝
- 体調が悪い時
- 旅行先などでノートを持参していない時
「毎日絶対に書かなければ」と思うと、書けない日があった時に自分を責めてしまい、結果的に続かなくなります。
「できる時にやる」「自分へのケア」として取り組むのが長続きの秘訣です。
コツ② 心がざわめく時こそ活用する
私がモーニングページを最も活用するのは、心がざわめくような時です:
- 職場での人間関係がうまくいかない時
- 仕事でミスをしてしまった時
- 将来への不安を感じる時
- なんとなく気分が重い時
こういう時にこそ、思考を書き出すことで心が軽くなります。
「調子が良い時は書かなくても、困った時の駆け込み寺として使う」という使い方でも十分価値があります。
コツ③ 完璧を求めない
モーニングページに「正解」はありません:
文章の質は関係ない
- 誤字脱字があってもOK
- 文法がめちゃくちゃでもOK
- 単語の羅列でもOK
量も柔軟に
- 3ページ書けなくても大丈夫
- 私は1ページ弱しか書いていません
- 時には数行だけの日もあります
内容も自由に
- 深い思索である必要はない
- 愚痴や不満も大歓迎
- 「書くことがない」も内容の一つ
コツ④ 読み返さない
私は今のところ、書いたモーニングページを読み返していません。
読み返さない理由:
- 書くこと自体が目的だから
- 過去の自分の悩みを再び感じたくない
- 「誰にも見せない」という前提で自由に書いているから
もちろん、読み返したい人は読み返しても構いませんが、「書きっぱなし」でも十分効果があります。
コツ⑤ 環境を整える
続けやすくするための小さな工夫:
前日の準備
- ノートとペンを机の上に置いておく
- 書くページに付箋を貼っておく
書く場所を決める
- いつも同じ場所で書く
- その場所を「モーニングページ専用」にする
時間のプレッシャーを減らす
- 「5分だけでもいい」と思って始める
- タイマーをかけずに、自然に書き終わるまで
挫折した時の復活方法
もし途中で書かなくなってしまっても、大丈夫です。
復活のコツ:
- 「また始めよう」と思った時がスタート
- 過去に書けなかった日を責めない
- 今日から新しく始める気持ちで
- 最初の1週間は量より継続を重視
私も何度か「最近書いてないな」という時期がありましたが、心がザワザワする出来事があった時に「そうだ、モーニングページを書こう」と思い出して復活しています。
モーニングページのよくある質問【やり方で迷った時】
半年間モーニングページを続ける中で、私自身が疑問に思ったことや、周りの人から聞かれることをまとめました。
Q1: 夜勤明けでも朝書くべき?
A: 帰宅後の落ち着いた時間に書いてOKです。
夜勤明けの場合、一般的な「朝」とは時間帯が異なります。私は以下のようにしています:
- 夜勤明けの場合:帰宅→シャワー→モーニングページ
- 通常の日:起床→モーニングページ
大切なのは「その日の活動を始める前」に書くことです。夜勤明けであれば、帰宅後に心を落ち着ける時間として活用してください。
Q2: どんなことを書けばいい?
A: 頭に浮かんだことなら何でもOKです。
私がよく書く内容:
- 今日の仕事の予定
- 昨日の検査で気になったこと
- 患者さんとのやりとりで感じたこと
- 趣味のカメラで撮りたい被写体
- 恋愛や人間関係の悩み
- 体調や健康について
- 「眠い」「書くことがない」
「書くことがない」も立派な内容です。「書くことがない、どうしよう、困った」を3行でも5行でも書き続けてください。
Q3: 3ページ書けない時はどうする?
A: 1ページでも数行でも大丈夫です。
ジュリア・キャメロンは3ページを推奨していますが、これは絶対的なルールではありません。
私の場合:
- 通常は1ページ弱
- 時間がない時は数行だけ
- 心がざわめく時は2ページくらい
量よりも「書く」という行為を続けることが大切です。
Q4: 効果が感じられない時は?
A: 最低2〜3ヶ月は続けてみてください。
私が明確な効果を感じ始めたのは2〜3ヶ月後でした。
効果を感じるまでの期間:
- 1週間目:「これで効果があるのかな?」
- 1ヶ月目:「まだよくわからない」
- 2〜3ヶ月目:「あれ、最近イライラしなくなったかも」
**書いている最中に劇的な変化を感じることは少ないです。**振り返ってみて「そういえば最近調子がいいな」と気づくことが多いでしょう。
Q5: デジタルではダメ?
A: 手書きがおすすめですが、続けることが最優先です。
手書きの利点:
- 脳の活性化により効果的
- スマホやPCの通知に邪魔されない
- 文字を書く速度により思考のペースが調整される
ただし、以下の場合はデジタルでも構いません:
- 手書きだと全く続かない
- 出張先でノートを持参できない
- 手の怪我などで書けない
完璧な方法でやらないより、少し妥協してでも続ける方が良いです。
Q6: 他人に見られたらどうする?
A: 絶対に見せない前提で書いてください。
私の対策:
- ノートは人目につかない場所に保管
- 職場には持参しない
もし万が一見られてしまった場合は、「これは私の思考整理用です」と説明すれば十分です。
Q7: いつまで続ければいい?
A: 期限はありません。効果を感じる限り続けてください。
ジュリア・キャメロン自身は10年以上続けています。私はまだ半年ですが、今のところやめる予定はありません。
1ヶ月、3ヶ月、半年とタイミングで一度振り返ってみて、続けるかどうか判断すれば良いでしょう。
まとめ:モーニングページでストレス管理を始めよう

半年間モーニングページを続けてきた私の体験をお伝えしました。
**モーニングページの最大の魅力は、そのシンプルさです。**特別な道具も技術も必要ありません。ペンとノートがあれば、今日からでも始められます。
この記事のポイント
✓ モーニングページは朝に思考を書き出す簡単な習慣 ✓ 効果は2〜3ヶ月後から実感できることが多い ✓ 義務にせず、できる時にやることが継続のコツ ✓ 完璧を求めず、量より継続を重視する ✓ 医療従事者のストレス管理に特に効果的
私が感じた3つの変化
- 負の感情をほとんど感じなくなった
- 悩みを翌日に持ち越さなくなった
- 自分と向き合う時間ができた
今日から始めてみませんか?
もしこの記事を読んで「やってみたいな」と思ったなら、今日からでも始めてみてください。
最初の1週間の目標:
- 毎日書くことより、「書く」という行為に慣れる
- 量は気にせず、5分でも10分でも
- 「これで効果があるのかな?」と思いながらでもOK
私たち医療従事者は、患者さんのために日々頑張っています。だからこそ、自分自身のケアも大切にしてください。
モーニングページは、忙しい私たちにとって「自分と向き合う贅沢な時間」になるはずです。
小さな習慣の積み重ねが、心を軽くし、より充実した医療人ライフにつながることを願っています。
参考文献:
- ジュリア・キャメロン「ずっとやりたかったことを、やりなさい。」
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